それほどでもない話があるところ。

ほんの些細なノスタルジー。文章。暇をご用意ください。

2024-01-17から1日間の記事一覧

花の見頃

「もうこの歳だしな」 なんていう言葉は、たくさん聞いてきた。たとえば、そう。多いのは転職だろう。結婚……ということもあるか。とにかく、なにかを始めるのに年齢がチラついて一歩を踏み出せない、ということだ。 私は転職組だが、隣人はちがう。新卒から…

感情に浸る

「なに聴いてんの?」 分厚い本を読んでいる隣人が、本に目線をやったまま聞いてきた。私はイヤホンを外して、松原みきの真夜中のドアと答えたが隣人はその曲を知らないようだ。もう少し前に聞いてくれれば、竹内まりやのプラスティック・ラブだったんだけど…